今の会社を辞めたい。
でも、次の会社が今より良いとは限らない。
転職しても、また合わない会社だったらどうしよう。
今とは違う問題が出てきて、結局また辞めたくなるかもしれない。
そう考えると、求人サイトを開いても、なかなか応募ボタンを押せなくなる・・・。
僕は、結構その状態に陥ってどうしたらいいかわからなくなってしまった時期があります。
給与、休日、勤務地。このあたりは求人票を見れば分かります。
でも、実際にどんな上司と働くのか。 職場の人間関係はどうなのか。
会社にはどんな雰囲気や、暗黙のルールがあるのか。
このあたりは、求人票を何度読み返しても分かりません。
僕自身、2社の会社でそれぞれ違うしんどさを経験しました。
1社目で嫌だったことを避けて2社目を選んだつもりが、今度は求人票からは見えなかった部分で悩むことになったんです。
この記事では、その経験や人事経験8年をもとに、転職前に確認できることと、入社するまで正直よく分からないことを整理してみます。
すべてを見抜く方法、というほどのものではありません。
それでも、前の会社で繰り返したくないことを一度言葉にして、確認できることを一つずつ増やしていけば、入社後のギャップは多少なりとも小さくできるんじゃないかと思っています。
1社目でしんどかったことは、2社目では繰り返さなかった

1社目でしんどかったのは、長時間労働と、結果を強く求められる環境でした。
朝は満員電車で1時間ちょっとかけて出勤し、退勤は終電になることもざらでした。
通勤だけで疲れるのに、働いている時間もとにかく長い。
加えて数字への追い込みも強く、正直、体力的にも精神的にもすり減っていく感覚がありました。
だから2社目を選ぶときは、そこだけは繰り返さないと決めていました。
確認したのは、
- 休日
- 長時間労働にならないか
- 残業した場合、残業代がきちんと支給されるか
- 通勤距離
このあたりです。
何も考えず、また似たような会社に転職したわけではありません。
1社目の経験から「次はここだけは変えたい」という基準を持って、2社目を選んだつもりでした。
実際、通勤時間も残業も、以前よりずっと楽になりました。
転職したからといって、必ず同じ問題が繰り返されるわけではない。これは実感として言えます。
前の職場で何が嫌だったのかを一度整理しておくことには、ちゃんと意味があると思います。
それでも2社目では、別のしんどさが出てきた
2社目では、1社目とはまったく違うことに悩みました。
大きかったのは、上司の対応と、会社全体の空気感です。
長い通勤時間や長時間労働は、求人票や面接である程度確認できます。
数字として提示されるものだからです。
でも、実際に上司がどう対応する人なのか、会社の雰囲気が自分の性格に合うのかは、正直、働き始めてみないと分かりませんでした。
求人票に書かれているのは、給与や勤務時間、休日、仕事内容といった条件です。
面接に行っても、話すのはほとんど面接官だけ。
実際に一緒に働くことになる上司や同僚と、ゆっくり話す機会があるとは限りません。
そのため2社目を辞めようかと考え始めたとき、
「次の会社も、入ってから別の問題が出てくるんじゃないか」
という不安が頭をよぎるようになりました。
1社目と2社目で、しんどかった原因はまったく別物です。
それでも「また何か出てくるかもしれない」という感覚だけは、共通して残りました。
「転職しても同じ」の正体は、同じ問題とは限らない
「転職しても同じことになる」と聞くと、前とまったく同じ失敗を繰り返すイメージを持ちがちです。
でも、僕の場合は少し違いました。
1社目では、長時間労働と通勤、結果主義がしんどかった。
2社目では、上司の対応と社風が合わなかった。
1社目の問題は、事前に整理して避けられた部分がありました。
ただ今度は、入社前には見えていなかった別の問題が出てきた、というだけの話です。
振り返ってみると、僕が本当に怖かったのは、同じ問題を繰り返すことよりも、
「どれだけ調べても、また入社後になって初めて分かることがあるんじゃないか」
という部分だったんだと思います。
入社前に確認できる情報には、どうしても限界があります。
大事なのは、すべてを完璧に見抜こうとすることではなく、確認できることと、見抜きにくいことを分けて考えることだと、今は思っています。
転職前に確認できることと、見抜きにくいことを分ける
転職先を考えるときの条件は、大きく2つに分けられます。
| 確認しやすいこと | 見抜きにくいこと |
|---|---|
| 給与・残業代 | 上司の対応 |
| 勤務時間・残業時間 | 配属先の人間関係 |
| 休日・休日出勤 | 職場の空気 |
| 勤務地・転勤 | 暗黙のルール |
| 仕事内容・配属予定 | 自分と社風の相性 |
| 試用期間中の条件 | 入社後の環境変化 |
見抜きにくいことは、完全に判断するのではなく、質問や職場見学で材料を少し増やすと考えます。
求人票や面接で確認しやすいこと
比較的確認しやすいのは、数字や制度として示せる条件です。
たとえば、勤務地と通勤時間、勤務時間、休日、給与、残業代の扱い、平均的な残業時間、仕事内容、転勤の有無、試用期間中の条件。
このあたりは求人票に書かれていることが多く、記載がなければ面接などで確認しやすい内容です。
ただ、求人票は限られたスペースの中で、企業の魅力が伝わるように書かれています。
そのため、同じ条件でも書き方によって受ける印象が変わることがあります。
「残業あり」と書かれていても、月に数時間なのか数十時間なのかで、働き方はまったく違います。
休日も、年間休日の日数だけでは、休日出勤の頻度や振替休日の取りやすさまでは分かりません。
気になる部分があれば、具体的な数字や実際の運用を確認しておいた方が、入社後の認識のズレを減らせます。
入社するまで見抜きにくいこと
一方で、事前にはどうしても判断しにくいこともあります。
実際の上司の対応、配属先の人間関係、職場の空気、社内の暗黙のルール、忙しい時期の対応、社風が自分に合うかどうか。このあたりです。
求人票に「風通しの良い職場」「アットホームな会社」と書かれていても、それだけでは判断できません。同じ会社でも、部署や上司が変われば雰囲気はがらっと変わります。
ある人にとって働きやすい社風が、自分にも合うとは限りません。
完全に見抜くのは難しいとしても、質問や職場見学によって、判断材料を少し増やすことはできます。
入社後のギャップを減らすためにできること
「絶対に避けたいこと」を先に決める
次の会社に求める条件を考え始めると、給与が高い、休みが多い、人間関係が良い、やりがいがある、と希望はどんどん増えていきます。
希望を持つこと自体は悪くありません。
ただ、すべてを満たす会社を探そうとすると、何を優先すればいいのか分からなくなってきます。
僕の場合、今後の働き方で絶対に避けたいのは、通勤時間が長いこと、長時間労働、結果を強く求められる環境です。
一方で、人間関係が悪い、社風が合わない、というのも避けたい条件ではあります。
ただ、これは入社前に確実に判断するのが難しいと感じています。
条件を「絶対に避けたい」「できれば避けたい」「条件によっては許容できる」くらいに分けてみると、求人は少し比べやすくなります。
「次は何がしたいか」がはっきりしなくても、「もう繰り返したくないこと」なら、意外と見つけられるものです。

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面接で「良いところ」と「しんどいところ」の両方を聞く
面接では、仕事内容や給与だけでなく、実際に働いている人がどう感じているかを聞いてみると、判断材料になります。
僕なら「この仕事をやっていて、よかったと感じるのはどんな部分ですか」と聞きます。
良い面だけでなく、「反対に、大変だと感じるのはどんな部分ですか」とも聞いてみたいところです。
「職場の雰囲気は良いですか」と聞いても、「良いです」としか答えようがないと思います。
それよりも、実際に感じているやりがいや大変さを聞いた方が、働く姿をイメージしやすくなります。
回答の内容そのものだけでなく、具体的に話してくれるか、良い面ばかり話すか、質問にきちんと向き合ってくれるか。そのあたりの反応も、判断材料になります。
可能なら実際に働く現場を見せてもらう
対面での面接なら、可能な範囲で職場を見学させてもらう方法もあります。
働いている人の表情、挨拶や会話の様子、忙しさ、整理整頓の状態、面接官と現場社員のやり取り。このあたりが参考になります。
ただし、その日の忙しさや見学する時間帯によって印象は変わるため、そのときに見えた様子だけで、職場全体を判断するのは難しいと思います。
短時間の見学だけで、人間関係や社風のすべてが分かるわけではありません。
それでも、面接官と話すだけでは見えなかった空気を、多少なりとも知ることはできます。
条件は具体的な数字で確認する
条件について聞くときは、できるだけ具体的に確認した方が分かりやすくなります。
「残業は多いですか」ではなく「配属予定の部署では、残業は月平均どのくらいありますか」。
「休日出勤はありますか」ではなく「休日出勤が発生する頻度と、その場合の振替休日について教えてください」。
こういう聞き方です。
ほかにも、給与に固定残業代が含まれているか、試用期間中に条件が変わるか、入社後に仕事内容や配属先が変わる可能性、繁忙期はいつでどう働き方が変わるか。気になる部分は、遠慮せず具体的に確認しておいた方がいいと思います。
求人票を疑うためではありません。採用する側と応募する側の認識を近づけるための確認です。
面接で確認したい質問例
・この仕事をしていて、よかったと感じるのはどんな部分ですか?
・反対に、大変だと感じるのはどんな部分ですか?
・配属予定の部署では、残業は月平均どのくらいありますか?
・休日出勤の頻度と、振替休日の運用を教えてください
・繁忙期には、普段と比べて働き方がどう変わりますか?
・可能であれば、実際に働く職場を見学できますか?
すべてを質問する必要はありません。自分が繰り返したくないことに関係する質問から選びます。
採用する側にも、入社後のギャップはメリットがない
僕は人事として採用する側と、仕事を探す側の両方を経験しました。
その経験から思うのは、入社後のギャップが大きくても、得をする人はいないということです。
求職者は「聞いていた話と違う」と感じて働くのがしんどくなりますし、企業側も採用や教育にかけた時間と費用を失うことになります。
面接は、会社が一方的に応募者を選ぶ場ではありません。
応募する側も、その会社が自分に合うかを確認する場です。
気になることを質問すると「こんな質問をしたら落とされるかもしれない」と不安になることもあると思います。聞き方への配慮は必要ですが、働くうえで大事なことを確認しただけで合わないと判断されるなら、入社後もお互い合わなかった可能性が高いです。
無理に良く見せて入社しても、ギャップが大きければ長く続けるのは難しくなります。
企業にも応募者にも分からないことはある。
だからこそ、お互いに確認しながら、できる範囲でギャップを埋めていく必要があるんだと思います。
それでも分からない部分が残るのは自然なこと
どれだけ求人票を読み、面接で質問しても、残念ながら入社前にすべてを知ることはできません。
人間関係は異動や退職で変わりますし、同じ会社でも部署によって雰囲気は違います。
面接で会った人と、実際に一緒に働くとも限りません。
「絶対に失敗しない会社を選ぼう」とすると、かえって怖くて動けなくなります。
完璧な会社を見つけようとするより、絶対に避けたい条件を確認する、分からないことは質問する、可能なら現場を見る、納得できない部分を残したまま決めない。この積み重ねの方が、現実的だと思います。
転職するか、今の会社に残るか。今すぐ決める必要はありません。
まずは前の職場や今の職場で「次はこれだけは繰り返したくない」と思うことを、一つだけ書き出してみてください。それだけでも、求人を見るときの基準が少し変わってきます。
一人で整理しにくい場合は、誰かに話してみる方法もある
避けたい条件や優先順位を、一人で整理するのが難しいこともあります。
その場合は、家族や友人、キャリア相談、転職エージェントなどに話してみる方法があります。
ただし、相談相手によって役割は違います。気持ちを聞いてほしいのか、働き方を整理したいのか、具体的な求人を紹介してほしいのか。今相談したい内容から、相手を考えてみるといいと思います。
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まとめ|すべては見抜けなくても、確認できることは増やせる
1社目では、長時間労働や通勤、結果主義にしんどさを感じていました。
2社目を選ぶときは、その経験をもとに条件を確認して、実際に解消できた部分もありました。
ただ2社目では、上司の対応や社風という、入社前には分かりにくかった別の問題が出てきました。
転職前に、会社のすべてを見抜くことはできません。
それでも、前の職場で嫌だったことを整理する、絶対に避けたい条件を決める、求人票で分からないことを質問する、可能なら実際の職場を見る。こうした一つひとつの積み重ねで、判断材料は増やせます。
「また合わない会社だったらどうしよう」と不安になるのは、会社選びが下手だからではありません。入社するまで分からないことがあるから、怖くなるのだと思います。
すべての不安がなくなるまで、答えを出そうとしなくてもいいと思います。
まずは「次の職場では、何を繰り返したくないのか」。そこから考えてみるだけでも、求人票を見るときの基準は少し変わります。
その言葉が、次の働き方を考えるときの基準になります。
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