「自分のことなのに、うまく説明できない」
何が好きなのか。どんなことが苦手なのか。これから、どう働きたいのか。
聞かれると、なんとなく思うことはあるんです。
でも、いざ言葉にしようとすると止まってしまう。
そんな経験、ありませんか。
僕は、仕事を辞めたいと思いながら3年以上動けませんでした。
転職活動で内定をもらっても、次の職場で同じ悩みを繰り返すのではないかと不安になって、辞退したこともあります。
そんな経験もあって、働き方を考えるときは、仕事の情報を集めるだけでなく、
「自分は何がしんどくて、何を大切にしたいのか」を深堀りして言葉にすることも必要だと感じています。
ただ、最初から整理して話すのは難しいですよね。
そこでこの記事では、ChatGPTに質問してもらいながら、自分のことを少しずつ言葉にする方法を紹介します。
使うお願い文は、コピーできる形で用意しました。
「プロンプトって何?」というところから説明するので、使い慣れていなくても大丈夫です。
まずは、好きなことや苦手なことを一つ。
そこから、今の自分を説明する短いメモを作ってみましょう。
この記事でできること
- ChatGPTに質問してもらう
- 好き・苦手を具体的な言葉にする
- 続けて相談できる、自分用のプロンプトを作る
プロンプトって何? ChatGPTへの「質問やお願い」のこと
プロンプトとは、ChatGPTに入力する質問やお願いなどのことです。
たとえば、次のような文章もプロンプトです。
自分の好きなことを整理したいです。
何から考えればいいか、一つずつ質問してください。
難しい言葉や、長い命令文を用意する必要はありません。
「何をしたいのか」「どう手伝ってほしいのか」を、普段の言葉で伝えるところから始められます。
何を頼めばいいか分からないときは、それも伝えて構いません。
自分のことを整理したいけれど、何を話せばいいか分かりません。
話し始めるための質問を一つしてください。
最初の入力だけで、全部伝えようとしなくても大丈夫です。
返ってきた質問に答えたり、「その聞き方だと答えにくい」と伝えたりしながら、少しずつ進めていきます。
「自分のことを知ってもらう」は、相談に必要な背景を伝えること
ChatGPTに自分のことを知ってもらうといっても、生い立ちや職歴を全部入力する必要はありません。
まずは、今回考えたいことに関係する背景だけ伝えてみてください。
たとえば、働き方について考えたいなら、こんな内容です。
今の仕事に違和感があります。
ただ、転職したいのか、自分の仕事の進め方を変えたいのかは、まだ分かりません。
まずは、自分が好きなことや負担に感じることを整理したいです。
これは架空の入力例ですが、答えが出ていない状態でも話し始められることが伝わるんじゃないかと思います。
大切なのは、立派な自己紹介を書くことよりも、今どこで困っていて、何を一緒に考えたいのかを伝えることです。
会社名・実名・機密情報は入力せず、出来事は人物や勤務先が特定されないようにぼかしてください。
社内資料や顧客情報を貼り付ける必要もありません。
それから、別のチャットで相談を始めるときは、それまでの話がすべて共有されている前提にせず、必要な背景をあらためて伝えてください。
今回何について話したいのかも添えると、話のずれを確かめやすくなります。
まずは、このプロンプトで質問してもらう
何から話せばいいか迷ったら、以下をChatGPTの入力欄にコピーしてみてください。
好きなことが決まっていなくても、仕事の悩みが整理できていなくても使える、対話開始用のお願い文です。有料プランや特定の機能を使う前提ではありません。
以下の枠内をすべてコピーして、ChatGPTの新しいチャットに貼り付けてください。
自分の好きなこと・苦手なこと・大切にしたいことを、自分の言葉で説明できるようになりたいです。
まだうまく整理できていないので、質問しながら手伝ってください。
【お願い】
・質問は一度に一つだけにして、私の返答を待ってください。
・最初は、最近楽しかったことや負担だったことなど、具体的な出来事を一つ聞いてください。
・思いつかない場合は、仕事・趣味・日常から選べるような短い例を出してください。
・「なぜ?」だけを繰り返さず、そのとき何をしていたか、どの部分が楽しかったかなど、答えやすい聞き方にしてください。
・私が話していない出来事や気持ちは、想像で補わないでください。
・解釈を出すときは仮説として扱い、別の見方や、当てはまらない場面も一つずつ確かめてください。
・性格や適職を断定せず、退職や転職の結論を急がないでください。
・答えにくい質問は飛ばせるようにし、「分からない」という答えもそのまま受け止めてください。
・私が「少し違う」と言ったら、説明を押し通さず、違う部分を確認してください。
私が「ここまでをまとめて」と言ったら、次の3点を短いメモにしてください。
① 私が話した具体的な出来事
② そこから考えられる好き・苦手・大切にしたいことの候補
③ まだ分からないこと、これから確かめたいこと
私が話した内容と、AIの推測を区別してください。
最後に、まとめが私の実感に合っているか確認してください。
送信したら、最初の質問に答えてみましょう。
「休日にゲームをしているときは楽しいです」くらいの短い返答で構いません。
話の途中で質問がいくつも並んだら、「一つずつ聞いてください」と伝えれば大丈夫です。
思い出せないことや話したくないことは、「その質問は飛ばしたいです」と伝えて、次に進んで構いません。
「ゲームが好き」を例に、対話の進み方を見てみる
「ゲームが好き」という言葉だけでは、何を楽しんでいるのかまでは分かりません。
物語を読むのが好きな人もいれば、仲間と協力するのが好きな人、作戦を考えるのが好きな人、少しずつ強くなっていくのが好きな人もいます。
同じゲームでも、好きな部分は人によって違います。
ここからは、進め方を示すための架空の会話です。
僕自身の体験や、実際の相談記録ではありません。
ChatGPT: 最近、楽しかったことを一つ教えてください。
読者: RPGをしていて、前は勝てなかった敵に勝てたことです。
ChatGPT: そのとき、特にうれしかったのはどんなところですか?
読者: 少しずつ強くなって、できなかったことができるようになったところです。
ChatGPT: できることが増える過程に、楽しさを感じたのかもしれません。同じように少しずつ取り組んでも、楽しくなかった場面はありますか?
読者: 他の人と進み具合を比べられたり、早く進めるように言われたりすると、楽しくなくなります。
ここまで話すと、「ゲームが好き」よりも少し具体的になりますよね。
この架空例なら、好きなのはゲームそのものだけでなく、自分のペースで取り組み、できることが増えていく過程なのかもしれません。
ただ、これはまだ一つの出来事から考えた仮説です。
ゲーム以外でも同じなのか。期限があったらどうなのか。ほかの人と一緒に取り組むときはどうなのか。
思い当たる経験があれば確かめてみて、なければ「まだ分からない」と残しておけば十分です。
この段階で、特定の仕事に向いていると決める必要はありません。
「好き」と「負担」が、同じ活動の中にあることもある
好きなことを具体的にするときは、楽しかった部分と負担だった部分を分けてみると、見えやすくなることがあります。
僕は、人の話を聞くことが好きでした。
ただ、相談活動では、その場で相手に合う答えを返そうとして、負担を感じていたんです。
「人の話を聞くのが好き」という言葉だけでは、そこまで伝わりません。
話を聞くことは好きでも、すぐに答えを返そうとすると負担になる。
こうして分けてみると、好きな部分と負担になる部分を、別々に説明できます。
今はブログやSNSで、自分のペースで考えながら文章を届けています。
とはいえ、文章ならすべてうまくいくと分かったわけではなくて、今も届け方を試している途中です。
だから僕は、好きか苦手かを一言で決めるよりも、「どの部分が」「どんな進め方だと」と考えてみることを大切にしたいと思っています。
好きなことが出てこないときは、負担だった場面から入っても構いません。
入口を探したい方は、好き・嫌いを手掛かりに選択を考える記事も参考にしてみてください。
ChatGPTの説明が違ったら、その場で訂正していい
ChatGPTがまとめた言葉を見て、「なんとなく合っている気もするけれど、少し違う」と感じることもあると思います。
その違和感は、そのまま伝えてください。
たとえば、先ほどのゲームの話から「あなたは競争が苦手なのですね」と返ってきたとします。
でも、自分で参加した対戦ゲームなら楽しめるのなら、こんなふうに訂正できます。
競争が全部苦手というわけではありません。自分で参加を決めたものは楽しめます。嫌なのは、望んでいない場面で比べられることです。この違いを入れて考え直してください。
どう違うのか、まだ説明できないときは、短くても大丈夫です。
その説明は少し違います。まだ理由はうまく言えないので、別の見方を一つ出してください。
ChatGPTの解釈は、自分を考えるための仮説です。
自分の実感よりも優先して採用する必要はありません。
しっくり来る表現が見つからなければ、保留にしておきましょう。
対話した内容を「今の自分のメモ」にする
一つの出来事について話せたら、「ここまでをまとめて」と送ってみてください。
出来事、そこから考えられること、まだ分からないことの3点に整理してもらいます。
指定した形にならなければ、「最初にお願いした3点に分けてまとめてください」と伝えてみてください。
先ほどの架空の会話なら、次のようなメモが考えられます。
① 話した具体的な出来事
RPGで少しずつ強くなり、前は勝てなかった敵に勝てたことがうれしかった。
他の人と進み具合を比べられると、楽しさが薄れる。
② 好き・苦手・大切にしたいことの候補
自分のペースで取り組み、できることが増える過程を楽しんでいるのかもしれない。
③ まだ分からないこと
ゲーム以外でも同じ楽しさを感じるのか。仕事の場面でも、自分のペースを調整できることが大切なのか。
できたメモは、自分で読み直してみてください。
話していない気持ちが加わっていないか。「かもしれない」だったはずの話が断定に変わっていないか。自分の言葉として違和感がないか。
違う部分は直して、納得できたものだけ残します。
これは自分の性格を決める説明書ではなく、今の経験から作った仮のメモです。
別の経験を思い出したり、実際に試したりして、あとから書き換えて構いません。
続けて相談するための「自分用プロンプト」も作ってもらう
メモができたら、次に話したいことに合わせて、相談開始用のプロンプトを作ってもらうこともできます。
これまでのやり取りを自分で長く説明し直す代わりに、必要な背景とお願いを短くまとめてもらう使い方です。
同じチャットで、次のように頼んでみてください。
ここまでのメモを使って、今後ChatGPTに相談するときの、自分用のプロンプトを作ってください。
「今分かっていること」「まだ分からないこと」「次に一緒に考えたいこと」「質問は一度に一つにしてほしい」という希望を入れてください。
推測は断定せず、私が話していない情報は加えないでください。次に考えたいことが分からなければ、プロンプトを作る前に私に聞いてください。
先ほどの架空例で、次に仕事や日常の経験を振り返りたい場合なら、次のようなプロンプトが考えられます。
自分に合う働き方を考えるために、好きなことや大切にしたい条件を整理したいです。
RPGでは、少しずつ強くなり、できることが増える過程を楽しんでいました。他の人と進み具合を比べられたり、早く進めるように言われたりすると、楽しさが薄れます。
そこから、自分のペースで取り組めることも大切なのかもしれないと考えています。ただし、仕事でも同じなのかは、まだ分かりません。
次は、これまでの仕事や日常に似た場面がなかったか、一緒に振り返りたいです。
質問は一度に一つにし、別の見方や当てはまらない例も確かめてください。性格や適職は断定しないでください。
自分用のプロンプトは、自分の背景と、どう手伝ってほしいかを伝えるための文章です。
作ってもらったあとも、内容を確認して、違うところは直してから使ってください。
メモ帳などに残しておけば、別のチャットで続きを考えたくなったときにも、貼り付けて使えます。
言葉にできたら、経験と照らし合わせてみる
メモができても、その内容だけで働き方を決める必要はありません。
たとえば、「できることが増える過程が好きかもしれない」と分かったら、仕事や日常でも似た気持ちになる場面がないか、少し意識してみます。
反対に、「ゲームでは楽しいけれど、仕事ではそうでもない」と分かることもあるでしょう。
それも、好きの中身を考え直すための大事な材料です。
うまく整理できず、同じところをぐるぐる考えてしまうなら、人に話してみる方法もあります。
そのときは、「ここまでは考えたけれど、ここが分からない」とメモを見せても構いません。
全部説明できる状態になるまで、一人で抱え込む必要はないんです。
誰に何を相談できるのか迷った方は、仕事の悩みに応じた相談先の違いも確認してみてください。
まずは一つ、ChatGPTに話してみよう
自分のことを言葉にするために、最初から答えを用意しておく必要はありません。
「何を話せばいいか分からないから、一つずつ質問してほしい」
そんなお願いからで十分です。
一つの出来事を話して、返ってきた言葉を確かめる。違うところは訂正して、分からないところは残しておく。
「ゲームが好き」から「少しずつできることが増えるのが楽しい」へ。
そんなふうに、自分のことを説明する言葉が一つ増えれば、次に考える手掛かりになります。
まずは、この記事のプロンプトをコピーして、最近楽しかったことか、しんどかったことを一つ話してみてください。

僕があなたの正解を決めることはできませんが、何が分からなかったのか、どう伝えれば進めやすそうかを、一緒に考えることはできます。
うまく説明できないところからで構いません。
まずは一つ、言葉にするところから始めてみましょう。

