仕事を辞めたい。
でも、「なんで辞めたいの?」と聞かれると、うまく答えられない。
明確に嫌なことがあるわけじゃないのに、なんとなく仕事に行きたくない。
人間関係が最悪なわけでもないし、仕事がまったくできないわけでもない。
給料だけが理由という感じでもない。
それでも、なんとなく行きたくないし、このまま続けるのもしんどい。
そういう状態になることもあると思います。
そんなふうに理由がはっきりしないと、「理由もないのに辞めたいと思うのはおかしいのかな」と、自分の気持ちまで疑ってしまうかもしれません。
でも、理由を一言で説明できないからといって、何も感じていないわけじゃないはずです。
一つの大きな原因があるというより、小さな違和感がいくつも重なっていることもあります。
「なぜ辞めたいんだろう?」と答えを探すより先に、最近どんなときにしんどかったかを、少しずつ見ていく。
それを少し理解した上で、次にどうするか考えてみる。
この記事では、そこから整理していこうと思います。
「理由がない」ように感じるのはなぜ?
仕事を辞めたい気持ちはあるのに、理由をうまく言葉にできない。
そんなときは、本当に理由がないというより、いくつかのことが混ざっていて見えにくくなっている場合があります。
ここでは、「もしかしたら自分にも近いかも」と思うものがあるか、見るくらいで大丈夫です。
小さな不満がいくつも重なっている
一つひとつを見ると、「これくらいなら我慢できる」と思えることでも、毎日続くと少しずつ負担になっていくことがあります。
仕事内容、人間関係、時間、評価、職場の雰囲気。
どれか一つが決定的に嫌というより、小さな違和感がいくつも重なっているのかもしれません。
だから、「辞めたい理由を一つ答えて」と言われても、うまく説明できないことがあるんです。
毎日のことすぎて、何がしんどいのか分からなくなっている
同じ働き方を長く続けていると、「仕事ってこういうもの」と慣れてしまうこともあります。
朝、仕事へ行くのがしんどい。
仕事が終わるとぐったりする。
休日が終わるころには気が重くなる。
そんなことが続いていても、毎日のことになると、それが普通の感覚になってきてしまう。
「何が嫌なのか」を考える前に、いつ、どんな場面でしんどくなるのかを見るほうが、案外分かりやすかったりします。
「こんなことで辞めたいと思うのは甘い」と自分で打ち消している
「もっと大変な人もいる」
「給料はもらえている」
「人間関係も最悪ってほどじゃない」。
そう考えて、自分が感じている違和感を小さく扱ってしまうこともあると思います。
もちろん、その違和感だけで退職を決める必要はありません。
でも、辞めるほどの理由かどうかと、自分が実際にしんどいと感じているかは、別の話です。
まずは「こんなことを気にする自分はダメ」と判断せず、そのまま見てみてもいいんじゃないでしょうか。
「次に何をしたいか」と混ざっている
「今の仕事を辞めたいなら、次は何がしたいの?」そう聞かれて答えられないと、「じゃあ、自分は本当に辞めたいのかな」と分からなくなることがあります。
でも、今の仕事の何が合わないのかと、次にどんな仕事をしたいのかは、別の話。
次にやりたい仕事がまだ決まっていなくても、
「この働き方はしんどい」
「これは次の職場では避けたい」というところから考えることはできます。
次の仕事まで一気に決めようとせず、まず今の違和感だけを整理してみましょう。
「辞めたい理由」ではなく、しんどかった場面から考えてみる
「なんで辞めたいんだろう?」そう考えても答えが出ないときは、いきなり理由を見つけようとするのではなく、まずは、最近しんどかった場面を思い出すところから始めてみます。
たとえば、
- 朝、会社へ行く準備をしているとき
- 上司や同僚と話したあと
- 会議が終わったあと
- 残業が続いた日
- 仕事が終わって家に帰ったあと
のように、できるだけ具体的な場面で考えます。
そのうえで、次の3つだけ見てみます。
① 何があった?
② そのとき何が嫌だった?
③ 何が違えば、少しマシだった?
たとえば、「会議のあと毎回ぐったりする」なら、
「会議そのものが嫌」なのか、
「発言を求められるプレッシャーがしんどい」のか、
「長時間拘束されるのが嫌」なのか、少しずつ分けて考えられます。
ここで大事なのは、きれいな理由を作ることじゃありません。
「自分はこういう場面でしんどくなりやすいんやな」と分かるだけでも、次に考えることは変わってきます。
まだ何から整理すればいいか分からない人は、「仕事を辞めたいけど、何から始めればいい?最初にやること5つ」も参考にしてみてください。
僕も「辞めたい」を一つの理由だけで説明していたわけではない
僕自身も、仕事を辞めたいと思いながら、3年以上動けなかった時期がありました。
その間、求人を見たり、面接に行ったり、内定をもらったこともあります。
それでも、すぐに「この会社に転職しよう」「これが自分の進みたい方向だ」とは決められませんでした。
今振り返ると、辞めたい気持ちはあっても、その理由を最初からきれいに一つに説明できていたわけじゃないんです。
仕事のことだけじゃなく、これからの働き方や生活のことも含めて、いろいろな不安が重なっていました。
だから、理由がうまく言葉にならないからといって、「自分は本当は辞めたいわけじゃないのかも」とすぐに決めなくてもいいと思います。
僕が仕事を辞めたいと思いながら何年も動けなかったころ、どういう状態だったのかは、「仕事を辞めたいと思いながら、何年も動けなかった頃の話」に詳しく書いています。
少し整理できると、「次に考えること」も変わってくる
しんどかった場面を少しずつ見ていくと、「辞めたい」という大きな気持ちの中に、何が混ざっているのかが少し見えてくることがあります。そうすると、次に考えることも変わってきます。
たとえば、仕事内容そのものがしんどいなら、今の会社の中で変えられる部分があるかを考える。
働く時間や環境が合っていないなら、別の働き方や求人を情報として見てみる。
人間関係や評価のされ方がつらいなら、次の職場では何を避けたいかを整理してみる。
こんなふうに、「辞めるか、残るか」だけで考えなくてもいいと分かってくることがあります。
今すぐ退職を決めなくても、
- 求人を見るだけ
- 働き方を調べる
- 今の職場で変えられることを確認する
- 少し休む方法を考える
- 誰かに話してみる
という途中の選択肢もあります。
もし今、「辞める」か「このまま我慢する」かの二択になっているなら、「『辞める』か『我慢する』の2択だけじゃない」の記事も参考になると思います。
一人で理由を見つけようとしなくてもいい
仕事を辞めたい理由は、自分一人で考えていると、同じところをぐるぐるすることがあります。
「何が嫌なんやろう」
「でも、辞めるほどではないかも」
「じゃあ自分が我慢すればいいのかな」と、考えるほど分からなくなることも。
そんなときは、誰かに話しながら整理するのも一つの方法です。
大事なのは、「辞めるべきか決めてもらう」ために相談するわけじゃないということ。
家族や友人に話してみる。
職場の人に、今困っていることだけ相談する。
公的な相談窓口を使う。
これからの働き方を整理したいなら、キャリア相談を使う。
悩みの内容によって、合う相談先は変わってきます。
もし、「誰に何を相談したらいいか分からない」という状態なら、「仕事を辞めたいときの相談先・相談窓口6つ」の記事で、相談先ごとの違いを整理しています。
話してみることで、「自分はここがしんどかったんや」と初めて言葉になることもあります。
まとめ|理由を一言で決めるより、違和感を一つ拾ってみる
仕事を辞めたい気持ちはある。
でも、その理由をうまく説明できない。
そんなときに、無理やり「自分が辞めたい本当の理由はこれだ」と一つに決めなくてもいいと思います。
まずは、最近、仕事で「嫌やな」「しんどいな」と思った場面を一つだけ思い出す。
そこから、何があった?何が嫌だった?何が違えば少しマシだった?を見てみる。
それだけでも、今の自分が何に引っかかっているのかが、少し見えてくるかもしれません。
理由がまだはっきりしなくても、すぐに「辞める」「残る」を決める必要はありません。
まずは、自分がどんなところでしんどさを感じているのかを確認する。
そのあとで、今の職場で変えられることがあるのか、別の働き方を考えるのか、誰かに相談するのかを、考えていけばいいと思います。
次の答えを急ぐより、今の違和感を一つ拾う。まずはそこからで、大丈夫です。


