仕事を辞めたい。
気持ちはある程度決まっているのに、いざ上司に伝えようとすると言えない。
「怒られたらどうしよう」
「引き止められそう」
「周りに迷惑をかけるかもしれない」
「なんて切り出せばいいんやろう」
そんなことを考えているうちに、今日も言えなかった。
正直、退職を伝えるのって、単に「勇気を出せばいい」という話でもないと思うんです。何が怖いのかによって、準備しておいたほうがいいことも変わってきます。
上司の反応が怖いのか、引き止められるのが不安なのか、退職理由をうまく説明できないのか、それとも本当に辞めていいのか、まだ少し迷いが残っているのか。
仕事を辞めたいのに言えないときは、無理に勇気を出すより、まず何が怖くて止まっているのかを分けてみます。退職する意思が固まっているなら、会社のルールを確認して、話す時間を取ってもらうところから始められます。
この記事で整理すること
- 何が怖くて言えないのか
- 伝える前に確認すること
- 最初にどう切り出すか
まずは「なぜ言えないのか」を少し分けて考えてみる。
そのうえで、自分で伝えるなら何を準備すればいいのか、最初にどう切り出せばいいのかを、順番に整理していきます。
仕事を辞めたいけど言えない。まず「何が怖いか」を分けてみる
「仕事を辞めたい。でも言えない」
そう思っているとき、全部まとめて「勇気がないから」と考えてしまいやすいです。でも、言えない理由って一つとは限らないんですよね。何が怖いのかが少し見えるだけでも、次に準備することは変わってきます。
1,上司の反応が怖い
「怒られたらどうしよう」
「嫌な顔をされそう」
「なんで辞めるんだ、と強く聞かれそう」
上司との関係によっては、退職を伝える場面そのものが大きな負担になることがあります。この場合は、気持ちだけで乗り切ろうとするより、いつ、どこで、どう話すかを先に決めておいたほうが動きやすいかもしれません。
2,引き止められそうで怖い
「もう少し続けてみたら?」
「今辞められると困る」
そう言われたときに、自分の意思を通せるか不安で言い出せないこともあります。まだ条件によっては残る余地があるのか、それとも退職する方向はほぼ決まっているのか。ここを自分の中で分けておくと、実際に話すときも整理しやすくなります。
3,周りに迷惑をかけそうで言いにくい
自分が辞めたら、仕事が誰かに回る。お世話になった人にも申し訳ない。そう考えると、退職を伝えること自体が悪いことのように感じてしまうことがあります。
もちろん、引き継ぎや伝える時期を考えることは大切です。ただ、申し訳なさがあることと、自分が退職を考えていることは別の話です。「迷惑をかけたくない」という気持ちが、自分を止めているだけなのかもしれない。まずはそこを分けて考えてみてもいいと思います。
4,何を言えばいいか分からない
退職を伝えるとなると、「理由をちゃんと説明しないと」「全部納得してもらわないと」と考えてしまうことがあります。でも、最初の一言ですべて説明する必要はないんです。まずは話す時間を作ってもらって、そのあとで退職について伝えることもできます。
退職理由そのものがまだ自分でもよく分からないなら、「仕事を辞めたいけど理由がわからない」の記事で先に整理してみてもいいと思います。
5,本当に辞めていいのか、まだ少し迷っている
「言えない」と思っていたけど、よく考えると、上司に伝えるのが怖いだけではなく、退職そのものにも少し迷いが残っている。そういうこともあります。
この場合は「うまく言う方法」だけを考えても、なかなか進めません。まだ退職するかどうかで迷っているなら、無理に伝える段階まで進まず、一度そっちを整理してもいいと思います。
「言えない理由」が分かると、次にやることも変わる

「仕事を辞めたいけど言えない」と一言でいっても、止まっている場所は人によって違います。だから、いきなり「どう伝えるか」を考えるより、まずは自分がどこで止まっているのかを見たほうが整理しやすいです。
たとえば、
上司の反応が怖い
→ 誰に、いつ、どこで話すかを先に決める。
引き止められるのが不安
→ 自分の退職意思がどのくらい固まっているか確認する。
何を言えばいいか分からない
→ 退職理由を全部まとめる前に、最初の一言だけ用意する。
まだ辞めるか迷っている
→ 伝え方より先に、退職そのものを整理する。
全部を一気に解決する必要はありません。まずは、「自分は何が怖くて言えないんだろう?」を一つだけ考えてみる。そこが見えると、次にやることも少し決めやすくなります。
実際に仕事を辞めたいと伝えるなら、最初に準備すること
退職する方向が固まっているなら、いきなり上司へ話しに行く前に、いくつか確認しておくと安心です。
伝える前に確認
まず就業規則と雇用契約を確認する
先に見ておきたいのは、
- 退職について社内でどんな手続きが決められているか
- いつ頃までに申し出ることになっているか
- 退職願や退職届などが必要か
- 自分の雇用契約に期間の定めがあるか
あたりです。
期間の定めがない雇用契約については、民法上、退職の申入れから原則2週間で契約が終了するルールがあります。一方、実際の手続きを進めるときは、会社の就業規則も確認しておいたほうがトラブルを避けやすくなります。
また、契約期間が決まっている有期雇用は、無期雇用と同じように「2週間前なら大丈夫」と一律には考えられません。有期契約には別のルールがあり、契約内容や期間によって確認が必要です。
この記事では法律の細かい判断までは扱いませんが、まず自分の雇用契約と会社のルールを確認しておくと、話す前の不安を一つ減らせます。
退職ルールは雇用契約によって違います
無期雇用と有期雇用では扱いが異なります。
「2週間前に伝えれば必ず大丈夫」と一律に考えず、まずは自分の雇用契約と就業規則を確認しておきましょう。
最初に伝える相手を確認する
多くの会社では直属の上司へ伝えることになると思いますが、手続きは会社によって違います。人事へ先に連絡する会社もあれば、上司を通して進める会社もあります。
「そもそも誰に言えばいいんやろう」という状態なら、ここも就業規則や社内の案内を確認しておきます。
まず「話す時間」を取ってもらう
退職の話をするとなると、「いきなり全部説明しないと」と思ってしまうかもしれません。でも、最初にやることはもっと小さくできます。
たとえば、「少しお話ししたいことがあるのですが、お時間いただけますか」と、まず話す時間を取ってもらう。その場で突然すべてを説明するのではなく、まず話せる場を作ると考えると少し動きやすくなります。
退職理由を完璧に作ってから話そうとしない
「なんで辞めるの?」と聞かれたらどうしよう。うまく説明できなかったらどうしよう。そう考えて、話す前から止まってしまうこともあります。
でも、退職を伝えるために、これまで感じてきた不満や気持ちを全部きれいに説明する必要はありません。それより先に整理しておきたいのは、自分は相談したいのか、それとも退職する意思を伝えたいのか。この違いです。
「退職について話したい」は、どう切り出せばいい?
切り出し方は、自分の意思がどこまで固まっているかで変わります。
まだ退職するか迷っている場合
まだ「辞めると決めたわけではない」という状態なら、退職の意思表示ではなく、相談として話すほうが自分の気持ちにも合います。
たとえば、
「今後の働き方について相談したいことがあります」
くらいからでもいいと思います。今の仕事で困っていることや、変えられる可能性があることを話したうえで、どうするか考える余地を残せます。
退職する意思が固まっている場合
逆に、すでに退職する方向が固まっているのに、「辞めようかなと思ってるんですけど……」と曖昧に伝えると、相談なのか意思表示なのか分かりにくくなります。
この場合は、
「退職したいと考えています」
など、自分の意思が伝わる形で話したほうが話は進めやすくなります。
大切なのは、かっこいい言い方を考えることではありません。相談なのか、意思を伝えるのか。まずそこを自分の中で決めておくことだと思います。
引き止められそうで言えないときは?
退職を伝える前に、「絶対引き止められる」と考えて、言えなくなっている人もいると思います。
ここでも先に考えておきたいのは、引き止められたら、自分はどうしたいのか、です。
たとえば、「部署が変わるなら残ってもいい」「勤務時間が変わるなら考えたい」という気持ちがあるなら、話を聞いてから考える選択肢もあります。
一方で、「条件が変わっても退職する」と決めているなら、そのことを自分の中ではっきりさせておく。引き止められたその場で、「どうしよう……」と一から考え始めなくて済みます。

退職する意思が固まっているなら、
「考えていただいてありがとうございます。ただ、退職する意思は変わりません」
と、自分の考えをもう一度繰り返し伝える方法もあります。
相手を言い負かす必要はありません。
相手がどう反応するかと、自分がどうしたいかは別。
ここを分けておくと、少し話しやすくなると思います。
まだ「本当に辞めるか」で迷っているなら、先にそっちを整理してもいい
ここまで読んで、「どう言うか以前に、本当に辞めていいのか分からない」と思ったなら、まだ退職を伝える段階ではないのかもしれません。
上司に言うのが怖い。その気持ちに加えて、「辞めたあと大丈夫かな」「今の会社でもう少しできることがあるかも」「転職しても同じことにならないかな」という迷いが残っている。それなら、無理に「言わなきゃ」と進めなくてもいいと思います。
まだ「辞める」か「残る」かの二択で悩んでいるなら、
「『辞める』か『我慢する』の2択だけじゃない」
の記事で、途中にできることも整理しています。
退職する方向が固まったあとに、改めて「どう伝えるか」を考えても遅くありません。
一人で会社とやり取りするのが難しい場合もある
ここまで準備しても、「やっぱり一人では話せそうにない」ということもあると思います。
会社との関係や状況によっては、自分だけで抱え込まず、
一人で難しいときに考えられる相談先
- 社内の人事や相談窓口
- 家族や身近な人
- 公的な労働相談窓口
- 状況に応じた専門家
などへ相談する方法もあります。
退職を認めてもらえない、強い引き止めがあるなど、会社とのトラブルになっている場合は、個別の状況によって判断も変わります。労働局など公的な相談窓口を利用する方法もあります。
「誰に相談したらいいか分からない」という人は、「仕事を辞めたいけど誰に相談すればいい?」の記事で相談先ごとの違いを整理しています。
また、会社と直接やり取りすること自体がどうしても難しい場合には、別の方法を検討することもできます。ただ、最初から「言えない=退職代行」と考える必要はありません。
まず自分がどこで困っているのかを整理して、自分で伝えられそうなのか、誰かの力を借りたほうがいいのかを考えてみる。その順番でいいと思います。
まとめ|「言う勇気」より、言えない理由を一つずつ減らしていく
仕事を辞めたい。でも、上司に言えない。そんなときに、「自分には勇気がない」だけで終わらせなくてもいいと思います。
まず、何が怖くて言えないのか。上司の反応なのか、引き止めなのか、周りへの申し訳なさなのか、何を言えばいいか分からないのか、まだ退職自体に迷っているのか。そこを一つ分けてみるだけでも、次にやることは変わります。
まず考えること
- 何が怖くて言えない?
- 退職する意思は固まっている?
- 次にすることを一つ決める
退職する方向が固まっているなら、就業規則や雇用契約を確認する、誰に伝えるか確認する、話す時間を取ってもらう、最初の一言を考えておく、というところから始められます。
全部を一気にやる必要はありません。無理やり勇気を出すより、言えない理由を一つずつ減らしていく。まずは、そこから考えてみてもいいんじゃないでしょうか。

この記事を書いた人:Tomori
人事・採用の仕事を経験し、仕事を辞めたいと思いながら3年以上動けなかった経験があります。TOMORIBASEでは、働き方に迷ったときに「今すぐ大きな決断をしなくてもできること」を中心に書いています。


