会社に行きたくない。
仕事を辞めたい。
でも、次にやりたい仕事が決まっているわけではない。 転職したら今より良くなるのかも分からない。
そんな状態のとき、一人で抱え込んでもなかなか答えが出せないことがあります。
そんなときは、自分以外の誰かに話してみる方法もあります。
ただ、誰に何を相談すればいいのでしょうか。
家族や友人に話す。
職場の上司に相談する。
転職エージェントに登録する。
それとも、お金を払って専門家に相談する。
いろいろな相談先がありますが、どこへ相談しても同じではありません。
気持ちを聞いてほしいのか。
今の職場を変えられるか知りたいのか。
心や体の状態が心配なのか。
退職後のお金や制度について知りたいのか。
これからの働き方を整理したいのか。
相談したい内容によって、合う相手は変わります。
僕自身、会社員時代は「誰かに相談する」ということ自体、あまりピンと来ていませんでした。
相談したところで何も変わらないんじゃないか、そんな気持ちも正直ありました。
この記事では、まだ転職するか悩んでいる人に向けて、仕事の悩みを相談できる相手と、それぞれの違いを整理します。
僕は「辞めたい」と何度も話していたけれど、愚痴で終わっていた

会社員として働いていた頃、仕事のことを誰にも話していなかったわけではありません。
妻や友人、同僚には、頻繁に愚痴を言っていました。
「あの上司の言い方なんなん」 「また仕事を振られた」 「もう辞めたい」
そんな話をして、共感してもらう。
話を聞いてもらった直後は、少し気持ちが楽になったように感じます。
ただ、僕の場合はそこで終わっていました。
「仕事のどこが嫌なのか」
「今の会社を辞めたいのか」
「仕事内容や部署が変われば続けられるのか」
「次の働き方で何を大切にしたいのか」
そこまでは、自分でも整理どころか考えようとすらしていませんでした。
だから「辞めたい」とは言えても、具体的に何を相談したいのかは説明できませんでした。
身近な人は、これまでの自分をよく知ってくれています。
それは安心できる部分でもありますが、近い関係だからこそ心配や励ましが先に来ることもあります。
僕自身も、理解してくれている相手だからこそ、完全にフラットな意見を聞くのは難しかったのかもしれないと、あとになって感じました。
もちろん、家族や友人に相談する意味がないわけではありません。
ただ、「気持ちを聞いてもらうこと」と「これからどうするかを整理すること」は、同じように見えて少し違います。
相談先を決める前に「何について話したいのか」を考えてみる

仕事を辞めたいと思っても、何を相談したいのか自分でも分からないことがあります。
そんなときは、相談相手を探す前に、今何に困っているのかを少し分けてみます。
たとえば、
- とにかく今のつらさを聞いてほしい
- 仕事量や部署を変えられるか知りたい
- 心や体の状態について相談したい
- 退職後のお金や制度を知りたい
- 自分に合う働き方を整理したい
- 求人を紹介してほしい
このように、それぞれ適した相談相手が異なります。
一つに決められなくても構いません。
僕も当時は、「辞めたい」という大きなかたまりのままで、何がしんどいのかを分けられていませんでした。
何について話したいか分からない場合は、先に「辞めたい」の中身を分けてみるのも一つの方法です。

仕事を辞めたいときに考えられる6つの相談先

家族や友人|気持ちを話しやすい相手
家族や友人は、自分の性格やこれまでの経緯を知ってくれている相手です。
「今日はこんなことがあった」 「最近、仕事に行くのがつらい」
といった気持ちを話しやすく、つらさを一人で抱え込まずに済むことがあります。
実際に退職する場合は、生活や収入にも影響します。
家族がいるなら、今後の暮らしについて話すことも必要になります。
一方で、身近な人は仕事や制度の専門家とは限りません。
心配するあまり退職に反対したり、反対に「そんな会社はすぐ辞めたらいい」と強く勧めたりすることもあります。
まず気持ちを聞いてほしいときは身近な人へ。
客観的に働き方を整理したいときは別の相手へ。
そのように、相談の目的を分けてもいいと思います。
僕の場合、同僚や友人に愚痴ばかり言っていました。
親身になって話を聞き、受け止めてくれる環境があったのことには感謝しています。
ですが、愚痴として今の気持ちを吐き出すことで、その場では少し楽になっても、この先どうするかを一緒に考えるところまでは、なかなかたどり着けていなかったように思います。
同僚・上司・会社の窓口|今の職場で変えられることを相談する
仕事量、配置、人間関係、勤務時間など、今の会社の中で改善できる可能性があることは、同僚や上司、人事、社内相談窓口が相談先になります。
仕事を辞めなくても、
- 業務量を調整する
- 担当業務を変える
- 部署を異動する
- 働き方を見直す
といった方法が取れる場合もあります。
僕は当時、上司には相談しませんでした。
評価が下がったり、今後働きにくくなってしまうのが怖くて相談できませんでした。
上司との関係や会社の雰囲気によっては、安心して相談できないこともあると思います。
また、転職するか迷っている段階で「辞めたい」と伝えると、その後の働きにくさにつながる可能性もあります。
上司に相談しにくい場合は、人事や社内相談窓口が設置されていないか確認してみましょう。
ただし、相談内容がどの範囲まで共有されるかは会社によって異なります。
利用する前に、相談者の情報や相談内容がどのように扱われるのかを確認しておくと安心です。
退職の意思をどこまで伝えるかによって、その後の関係や働きやすさに影響する場合もあります。
誰に、どこまで伝えるかは慎重に考えてよい部分です。
医療機関や心の相談窓口|心身の状態について相談する
眠れない。
食欲がない。
仕事へ行こうとすると体調が悪くなる。
休みの日も気持ちが回復しない。
このような状態が続いている場合は、転職するかどうかを考える前に、医療機関などへ相談する選択肢があります。
僕自身、会社員時代は医療機関へ相談するという発想がありませんでした。
退職サポートを利用した際にメンタルクリニックを勧められ、そこで初めて受診につながりました。
ただ、医療機関は、転職先を決めてもらう場所ではありません。
今の状態で働き続けられるのか、休むことも含めて考えた方がよいのかを判断するうえでは、転職エージェントなどの仕事の相談サービスとは別の役割があります。
厚生労働省の「こころの耳」では、働く人や家族を対象に、電話・SNS・メールによる匿名・無料の相談窓口が案内されています。
参考: こころの耳の相談窓口
正直なところ、当時の僕は「これくらいで病院に行っていいのか」と迷っていました。
仕事を続けられないほど深刻ではない。そう自分に言い聞かせていた部分もあったと思います。
今振り返ると、もう少し早く相談していてもよかったのかもしれません。
体調や症状については、僕の体験だけで判断せず、医療機関や公的な相談窓口へ確認してください。
公的窓口|労働問題や制度について確認する
相談したいことが、職場でのハラスメント、解雇、賃金、配置転換などの労働問題であれば、公的な窓口もあります。
厚生労働省の総合労働相談コーナーでは、労働問題に関する相談を無料で受け付けています。
参考: 総合労働相談コーナーの案内
また、退職後の雇用保険や仕事探しについては、ハローワークが相談先になります。
僕は退職に関する民間サポートを利用したことで、退職後に利用できる可能性のある制度を知りました。そのおかげで、金銭面の不安が軽くなった部分はあります。
ただし、「退職給付金」という名前の独立した公的給付が一律に受け取れるわけではありません。
雇用保険などの受給条件や金額は人によって異なります。
民間サービスの説明だけで判断せず、ハローワークなどの公式窓口でも確認することが必要です。
参考: ハローワーク
キャリア相談・自己理解の専門家|考えを整理する
転職するか決めていない。 今の会社を辞めたい理由も、次に何をしたいのかも分からない。
今の仕事やこれからのことを考えるともやもやする。
このような段階では、キャリア相談や自己理解を支援する専門家へ話す方法があります。
僕は退職後、自己理解カウンセリングなど、いくつかの相談サービスを利用しました。
そこで役立ったのは、すぐに答えを教えてもらうことより、いろいろな質問をしてもらえたことでした。
「なぜそう思ったのか」 「どんな場面でしんどいと感じたのか」 「今後は何を避けたいのか」
一人では考えていなかった方向から質問されることで、少しずつ自分の考えを言葉にできました。
厚生労働省委託の「キャリア形成・リスキリング推進事業」でも、仕事やキャリアについて相談できる無料のキャリアコンサルティングが案内されています。
民間サービスには、無料のものと有料のものがあります。
利用する場合は、料金、相談できる内容、担当者の資格、継続契約の条件などを事前に確認した方が安心です。
また、相談したからといって必ず答えが出るわけではなく、担当者との相性が合わないこともあります。

転職エージェント|転職活動を具体的に進める
転職エージェントは、求人紹介や応募書類、面接など、転職活動を具体的に進めたいときに利用しやすいサービスです。
僕も退職後に転職エージェントを利用しました。
ただ、転職エージェントと、自分の気持ちや働き方を整理するキャリア相談は、同じではありません。
まだ転職するか決めておらず、
「そもそも今の会社を辞めたいのか」 「どんな働き方をしたいのか」
から考えたい場合は、最初から求人紹介へ進むと重たく感じることもあります。
反対に、転職する方向がある程度決まっていて、具体的な求人や選考について相談したい場合は、転職エージェントが選択肢になります。

相談相手は一人に決めなくてもいい

6つ紹介しましたが、仕事の悩みを1つの相談相手にすべて解決してもらう必要はありません。
気持ちは家族や友人に聞いてもらう。
体調は医療機関へ相談する。
労働問題や制度は公的窓口で確認する。
これからの働き方はキャリア相談で整理する。
転職すると決めたら、転職エージェントに求人を紹介してもらう。
このように、相談する内容によって相手を分けてもいいと思います。
相談した相手の意見を、そのまま正解にする必要もありません。
話してみて違うと感じたことも、自分が何を大切にしたいかを知る材料になります。
会社員時代に相談していれば、退職後はもう少しスムーズだったかもしれない
僕は退職してから、メンタルクリニック、自己理解カウンセリング、転職エージェント、SNSで知り合った方など、いろいろな人に相談しました。
プロの相談サービスでは、自分では思いつかなかった質問をしてもらえました。
その質問に答えようとすることで、何が嫌だったのか、どんな働き方をしたいのかを少しずつ整理できたと思います。
会社員時代にこうした相談先を知っていれば、退職後の動きはもう少しスムーズだったかもしれません。
だからといって、必ず有料サービスを利用した方がいいとは思いません。
身近な人、公的な無料相談、医療機関、民間サービスには、それぞれ違う役割があります。
今の自分が何に困っていて、何を知りたいのか。
そこに合う相手を一つ選ぶだけでも、相談のしやすさは変わります。
まとめ|今の悩みに合う相手へ相談してみる

仕事を辞めたいときの相談先は、一つではありません。
ただ気持ちを聞いてほしいなら、家族や友人。
今の職場で変えられることを知りたいなら、上司や社内窓口。
心身の状態が心配なら、医療機関や心の相談窓口。
労働問題や制度を知りたいなら、公的窓口。
今後の働き方を整理したいなら、キャリア相談。
転職活動を具体的に進めたいなら、転職エージェント。
僕の場合は、「辞めたい」と愚痴っていても、愚痴だけで終わることが多く、自分の考えまでは整理できていませんでした。
それが、同じ場所でずっと足踏みをしているような感覚で、とてももどかしかったです。
気持ちを吐き出すことと、これからどうするかを整理することは、似ているようで少し違います。
どちらが良い悪いではなく、今の自分が何を求めているかによって、話す相手も変わるのだと思います。
相談するのであれば、
「今、一番聞いてほしいことは何だろう」
と考えてみてください。
すぐに答えが出なくても、相談したいことを一つ書き出すだけで、次に話す相手が少し見えやすくなります。
僕もあの頃、誰かに整理してもらう発想さえ持てていませんでした。
今この記事を読んでくださっている方が、自分の悩みに合う相談相手を見つけるきっかけになればと思います。
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