「早く転職や副業で今の仕事から抜け出したい」
「とにかく今の仕事を辞めたい」
そう思ってるなら少し待ってください。
僕は昨年、39歳で製造業の事務職を退職しました。
退職したこと自体は全く後悔していません。
あの状況では、辞めることが必要な選択だったと今でも思っています。
ただ、退職後に振り返ると
「もっと早く知っておけばよかった」
「もう少し準備しておけばよかった」
と感じることがいくつかありました。
退職は一つのゴールではありますが、
辞めた後の生活が新たにスタートします。そして、その生活の方がずっと長く続きます。
退職後に後悔しないためには、辞める前の準備がとても大切です。
特に30代・40代で退職や転職を考えている場合、事前に知っておくだけで避けられる失敗もあります。
この記事では、僕自身の経験をもとに、退職前に準備しておくべきことを3つに絞って整理しました。
これから退職を考えている30代・40代の方に、少しでも参考になればうれしいです。
退職を考え始めたときの正直な気持ち

最初から「絶対に辞める」と決めていたわけではありませんでした。
環境を変えるのは怖いし、転職活動はめんどくさい。
新しい環境で今の悩みが解決するかもわからないし、なんなら悪化する可能性だってある。
もちろん給料は減るし、理想の職場なんて見つからないだろう、とネガティブなことばかりを考えて退職を引き延ばしている状況でした。
転職しながら状況を変えられないか。
副業で収入の柱を増やせないか。
そういう選択肢をいくつも検討しながら、それでも最終的に退職を選びました。
毎朝会社へ向かう足取りが重くなっていた
仕事そのものが嫌だったわけではありません。
製造業の事務職として、責任感を持って取り組んでいました。
ミスを減らしたい。効率化できることはしたい。周りの役に立ちたい。皆が楽できる環境にしたい。
そういう気持ちは持っていました。
しかし次第に、精神的な疲弊が大きくなっていきました。
改善提案をしても変わろうともしない。
頑張っても評価されない。
むしろ理不尽な扱いを受けることが続く。
そんな状態が積み重なると、頑張る意味がわからなくなってきました。
社長クラスの上司との関係も大きなストレスになっていて、組織の構造上、簡単に改善できる問題でもありませんでした。
「辞めたい」と「辞めた後が怖い」の間で揺れていた
39歳という年齢も、判断を難しくしていました。
若手と言える年齢ではない。特別な資格があるわけでもない。転職市場で有利な立場にいるとは言えない。
辞めたい気持ちと、辞めた後の不安。その間で何度も揺れました。
退職前に準備しておいてよかったこと、後悔したこと【実体験】

① 人脈を作っておく
退職してから特に痛感したのが、人とのつながりの大切さです。
会社員でいる間は、人との接点が当たり前にある
社内の同僚、取引先、電話やメールでやり取りする相手。
意識しなくても、会社員だと毎日誰かと関わっています。
しかし退職すると、そのすべてが一気になくなります。
この変化は、想像以上の影響力だと感じました。
副業・フリーランス・独立を考えているなら、人脈は本当に重要
仕事はオンライン上だけから生まれるわけではありません。
知人から相談されることもあれば、紹介されることもあります。
「一緒にやってみないか」と声をかけてもらえることもある。
そのきっかけになるのが、オフラインでの人とのつながりです。
一緒に働いた経験のある人は、説明しなくてもわかってくれる
初対面の相手に自分がどんなことをしている何者なのか説明するのは、意外と難しいものです。
どんな仕事ができるのか、どんな人間なのか、何が得意なのか。
一から伝える必要があります。
しかし以前一緒に働いた人なら、ある程度わかってもらえているはずです。
だから話が早い。副業でも転職でも、この差は大きいと感じています。
退職前に、社内外問わず人とのつながりを意識して作っておくこと。
これは今振り返っても、本当に大切だったと思います。
② 利用できる制度を理解しておく
これは、退職前の準備の中で一番後悔している部分かもしれません。
当時の僕は、制度をほとんど知らなかった
失業保険については何となく知っていました。
しかし、傷病手当金・退職後の健康保険・国民年金・住民税などについては、ほとんど理解していませんでした。
無職になると、お金は思った以上のスピードで減る
貯金が減ることは覚悟していました。
収入がなくなるのだから当然です。ただ実際に無職になると、想像以上のスピードで口座残高が減っていきます。
家賃・光熱費・食費・通信費・税金。
生きているだけでお金は出ていきます。毎月残高が減っていくのを見るのは、精神的にも負担でした。
傷病手当金の存在を、もっと早く知りたかった
当時、精神的に追い込まれていた状態で「とにかく辞めたい」という気持ちが強く、制度を調べる余裕がありませんでした。
しかし退職後になって、傷病手当金という制度があることを知りました。
もちろん利用には条件があります。全員が対象になるわけではありません。
僕も、知っていても適用されなかったかもしれません。
ただ大切なのは、制度を知らなければ検討すらできないということです。
知っていれば、会社へ相談する・健康保険組合へ問い合わせる・医師へ相談する、などの選択肢が生まれます。知らなければ、最初から選択肢に入ることすらありません。これは本当にもったいないと思います。
退職前に確認しておきたい主な制度(参考)
| 制度名 | 概要 |
|---|---|
| 失業給付(雇用保険) | 離職後の生活を支える給付金。条件・期間は状況により異なる |
| 傷病手当金 | 病気・ケガで働けない期間の給付金 (在職中から条件を確認しておくことが大切) |
| 退職後の健康保険 | 任意継続・国民健康保険・家族の扶養など選択肢がある |
| 国民年金 | 退職後は自分で手続きが必要。 免除・猶予制度もある |
| 住民税 | 前年の収入に基づいて課税されるため、退職後も続く |
※制度の詳細・条件は変更される場合があります。最新情報はハローワークや加入している健康保険組合などの公式窓口でご確認ください。
③ 自分の健康状態を把握しておく
これは、退職を考えている在職中の段階でぜひ意識してほしいことです。
自分は大丈夫だと思っていた
僕はハラスメントによるストレスから、医療機関で双極性障害と診断されました。
正直、自分には関係ないと思っていました。
精神的な疾患になるのは特殊な人、そんなイメージをどこかで持っていたのかもしれません。
しかし実際は違いました。誰にでも起こり得ることでした。
こんな状態が続いているなら、一度相談してほしい
これは医療的な助言ではありません。
ただ、僕自身の経験として「もっと早く相談していればよかった」と思っています。
- 眠れない・睡眠が浅い日が続いている
- 気分の起伏がある
- 会社へ行くのが極端につらい
- 涙が出る、何もやる気が起きない
こういった状態が続いているなら、一度専門家へ相談することも選択肢だと思います。
診断を受けることが目的ではなく、自分の状態を知ることが大切
今の自分の状態を客観的に把握すること。
その結果として、利用できる制度が見つかることもあります。
働き方を見直すきっかけになることもあります。
退職してはじめて気づいた「会社の看板」の大きさ

退職してから、もうひとつ気づいたことがあります。
「○○会社の○○さん」という信用は、思っていた以上に大きかった
会社員の頃は「○○会社の○○課の○○さん」として認識されていました。それが当たり前でした。
しかし退職すると、その肩書きは一瞬でなくなります。
当然のことですが、そのことをあまり考えていませんでした。
ただ、実際に経験すると想像以上のことでした。
無職になると、自分が何者かわからなくなることがある
周りから見れば、ただの一個人になります。
それ自体が悪いことではありません。ただ、自分の存在価値まで揺らぐことがありました。
「自分は何者なんだろう」
会社の看板に頼っていたつもりはなかったです。
それでも、失ってはじめてその存在の大きさを感じました。
だからこそ、会社以外の居場所を持っておくことが大切
趣味でもいい。副業でもいい。SNSでもいい。コミュニティでもいい。
会社以外に自分を表現できる場所を持っておくことは、退職後の精神的な支えになります。
もし今の知識を持ったまま退職前に戻れたら

退職後の経験を踏まえて、もし退職前に戻れるとしたら、僕は次のことをやります。
人脈を意識して作る
社内外を問わず、会社以外のつながりを少しずつ増やしておく。
制度をひととおり確認する
失業給付だけでなく、傷病手当金・健康保険・住民税などの受給資格や免除を事前に調べたり相談しておく。
転職市場での自分の価値を把握する
転職サイトに登録して、自分がどう評価されるかを知っておく。
自分の強みや経験を整理するきっかけにもなります。
また、自分の市場価値を知ることで、今の会社に残るべきか転職するべきかの判断材料にもなります。
副業を小さく始めておく
100円でもいい。
収益化の経験があるとないとでは、退職後の見え方や自信につながります。
固定費を見直しておく
退職後の不安の多くはお金に関係しています。
支出を減らしておくだけで、焦りが少し和らぎます。
必要な固定費の算出でどれくらいの余裕があるかも把握できます。
まとめ|辞める前に少しだけ立ち止まってほしい

退職した僕が振り返って感じるのは、退職前の準備は想像以上に大切だったということです。
特に重要だったのは、この3つです。
- 人脈を作っておくこと
- 利用できる制度を理解しておくこと
- 自分の健康状態を把握しておくこと
そしてもうひとつ。会社員でいることの価値を、過小評価しないことです。
会社に所属している間は「○○会社の○○さん」という信用があります。
その価値は、失ってはじめてわかることが多いです。
だからこそ、退職を考えている方には辞める前に少しだけ立ち止まってほしいと思います。
しかし、無理に我慢し続ける必要はありません。
限界なら離れることを第一に考えることも大切です。
ただ、今当たり前に受けている恩恵にしっかり目を向けて、会社員であることの特権を使って準備をしっかりすることも大切です。
そのひと手間が、退職後の不安を少し和らげてくれるかもしれません。
もし今、仕事がつらくて苦しんでいるなら、一人で抱え込まないでください。
退職を迷っている段階なら、まずは転職サイトやエージェントに登録して「今の自分がどんな選択肢を持てるのか」を確認しておくだけでも、不安の整理になります。
僕自身、退職してはじめて気づいたことがたくさんありました。この記事が、退職を考えている誰かの参考に少しでもなればうれしいです。


